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 季節により水温が変化するのでBODも影響を受けることが考えられる。季節ごと(四半期をイメージしやすいように春夏秋冬とした)の平均BODと超過率の変化を表したのが下の図である。

・基準型に比べてコンパクトの方が平均BOD及び超過率とも劣るが、年度の前半(春夏)に比べ後半(秋冬)にはその差は少なくなっている。
  ⇒コンパクトの改善効果?
・基準型は平均BOD及び超過率とも夏が最もよく、冬春が悪いがその差は比較的小さい。コンパクトは秋が最もよかったが、季節ごとの差が大きい。
  ⇒この傾向は主に水温の変化によると思われる。なお、春は水温が上昇しても機能が立ち上がるのに時間がかかる。つまり、タイムラグが生じると考えられる。




 型式ごとの平均BODと20mg/l超過率の関係を表したのが下の図である。当然ではあるがBOD値が高いほど超過率も高い傾向にある。

・算術平均BODが20mg/l以下となるには超過率が25~30%以下となる必要がある。なお、対数平均BODの場合、その平均値が度数分布の最も頻度が多い値に近いので20mg/l以下となるには超過率も必然的におおよそ50%以下となる。




 水温と人員比が季節ごとにどのように変化するかを表したのが下の図である。基本的には水温が高いほど人員比が高い傾向がある。

・夏は気温と汚水の水温との差が小さいため、水温の変化も少なく人員比との相関も低い。
・冬は気温と汚水の水温との差が非常に大きいため、水温の変化も大きく、人員比との相関関係も高い。つまり、水温が低い(特に10℃以下)ということは人員比(負荷)も少ないことを意味する。




 水水温と対数平均BOD(各区分ごとのデータ数が大きく違うので対数平均を用いた)との関係を表したのが下の図である。

・水温が10℃以下のBOD値が低いのは前記の理由により低負荷が原因と思われる。
・基準型の場合、10℃を超える温度では温度が高いほどBOD値も低い。
・コンパクトでは20℃以下の場合、基準型に比べて若干BOD値は高めであるが傾向としては同じである。しかし、20℃を超えると水温が高いほどBOD値が明らかに高くなる傾向があり、この点が基準型との大きな差となっている。
⇒DO不足?




 人員比により対数平均BODがどのように変化するかを表したのが下の図である。基本的には人員比が高いほどBOD値は高い傾向がある。

・人員比が50%以下では基準型とコンパクトに対数平均BODの大きな差はない。しかし、50%を超えると明らかな差があり、コンパクトは基準型に比べて対数平均BODが高い値となる。




 処理対象人員ごとの対数平均BODを下記の表に示す。また、この表のデータを元にグラフにしたのが下の図である。

・基準型の場合、処理対象人員ごとの人員比はあまり変わらない。そのため対数平均BODにも有意な差がみられない。
・コンパクトの場合、処理対象人員ごとの人員比は基準型と同様にあまり変わらないが、対数平均BODは処理対象人員が大きくなるほど高くなる傾向がある。このことはコンパクトの場合、人員比よりむしろ実使用人員に影響されていることが考えられる。
⇒このような傾向はコンパクトの二次処理が基準型に比べ、処理対象人員が大きくなってもその容量、風量などがあまり増加しないことが一因?今後は5および7人槽の設置が中心となると考えられるので、コンパクトの場合特に7人槽の対策が重要と考えられる。

基準型 コンパクト
処理対象人員
(人槽)
対数平均BOD
(mg/l)
人員比
(%)
実使用人員
(人)
対数平均BOD
(mg/l)
人員比
(%)
実使用人員
(人)
5 11.6 57 2.8 11.0 54 2.7
6 11.5 57 3.4 13.7 58 3.5
7 12.8 59 4.1 14.6 60 4.2
8 11.1 58 4.6 16.3 58 4.6
10 11.8 53 5.3 15.8 53 5.3