浄化槽は私たちの生活排水などを処理して、きれいな水として河川等へ放流します。しかし、適正な設置・管理等を怠ると本来の能力を発揮できずに、水質悪化の原因になりかねません。そのため浄化槽を設置(管理)する方は、浄化槽法に基づいた定期的な点検・検査が必要になります。このうち、浄化槽法第7条及び第11条に基づく定期検査について、岩手県知事が指定した検査機関である「(公社)岩手県浄化槽協会 岩手県浄化槽検査センター」が岩手県内全域の法定検査を行っております。
■ 浄化槽法(抜粋) 制定:昭和58年 5月18日
最終改正:平成20年 5月23日
(設置後等の水質検査)
第7条
(定期検査)
第11条
新たに設置され、又はその構造若しくは規模の変更をされた浄化槽については、その使用開始後3ヶ月を経過した日から5ヶ月間に、環境省令で定めるところにより、当該浄化槽の所有者、占有者その他の者で当該浄化槽の管理について権原を有する者(「浄化槽管理者」という)は、都道府県知事が第57条第1項の規定により指定する者(「指定検査機関」という)の行う水質に関する検査を受けなければならない。 浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年1回、指定検査機関の行う水質に関する検査を受けなければならない。





検査の概要:
検査を受ける浄化槽がその機能をおおむね発揮した時点において、所期の処理機能を有するか否かに着目し、設置の状況を中心として検査を行います。


検査時期:使用開始後3ヶ月から5ヶ月間
検査実施予定日については事前にハガキにて通知致します。

保守点検業者の記録表、浄化槽の施工図面等をご用意願います。

 ■事前調査
7条検査を実施する際、保守点検業者から浄化槽の管理状況や使用状況を前もって確認します。


検査の概要:
検査を受ける浄化槽が適正な維持管理により所期の処理機能が確保されているか否かに着目し、保守点検及び清掃の状況を中心として検査を行います。


検査時期:7条検査実施後、次年度より毎年1回
検査実施予定日については事前にハガキにて通知致します。

保守点検業者の記録表、清掃を実施している場合は清掃の記録表をご用意願います。

 ■事前調査
11条検査を実施する際、保守点検業者から浄化槽の管理状況や使用状況を前もって確認します。





■外観検査

・浄化槽の設置状況
(槽本体の水平、破損等)
(ポンプ槽等付帯設備の状況)
・汚水導入管、放流管の勾配等の確認
・送風機の設置状況の確認
(アースの接地、ベースの固定状況等)
・送風機の駆動状況の確認
(送風量確認、異音の有無等)
・空気配管の施工状況の確認
(配管の長さ、露出の有無等)
・放流先の確認
・設備の稼働状況
(設備の破損、故障等)
・水の流れ方の状況
・使用の状況
・悪臭の発生状況
消毒の実施状況
・か、はえの発生状況 等


全75項目を検査

■水質項目
・水素イオン濃度(pH)
・溶存酸素量(DO)
・残留塩素濃度
・透視度
・酸化還元電位(ORP)
・汚泥沈殿率(SV)
(対象浄化槽のみ)
・生物化学的酸素要求量(BOD)
・全窒素濃度(T-N)



■書類検査
保守点検の記録表の内容、施工図面を参考とし、届出通り適正に設置されているか否かについて検査を実施

※浄化槽の種類により一部項目が違う場合もあります。
■外観検査
・設備の稼働状況
・水の流れ方の状況
・使用の状況
・悪臭の発生状況
・消毒の実施状況
・か、はえの発生状況 等
      ↓
重点項目20項目を検査

■水質項目
・水素イオン濃度(pH)
・溶存酸素量(DO)
・残留塩素濃度
・透視度
・酸化還元電位(ORP)
・汚泥沈殿率(SV)
(対象浄化槽のみ)
・生物化学的酸素要求量(BOD)

なお、異常が確認された場合には追加項目(全55項目)についても検査を行います。









■書類検査
前回検査以降の保守点検の記録表、清掃の記録表の内容を参考とし、浄化槽の状態と合わせて保守点検及び清掃が適正に実施されているか否かについて検査

※浄化槽の種類により一部項目が違う場合もあります。


水質測定のため、処理水を持ち帰り分析します。
また、施工状況等の写真も撮影します。
水質測定のため、処理水を持ち帰り分析します。


イ:適正
浄化槽の設置及び維持管理に問題があると認められない場合

ロ:おおむね適正
浄化槽の設置及び維持管理に関し、一部改善することが望ましいと認められる場合、又は今後の経過を注意して観察が必要であると認められる場合

ハ:不適正
浄化槽の設置及び維持管理に関し、法に基づく浄化槽の構造、工事、保守点検及び清掃に係る諸基準に違反している恐れがあると考えられ、改善を要すると認められる場合

イ:適正
浄化槽の維持管理に問題があると認められない場合

ロ:おおむね適正
浄化槽の維持管理に関し、一部改善することが望ましいと認められる場合、又は今後の経過を注意して観察が必要であると認められる場合

ハ:不適正
浄化槽の維持管理に関し、法に基づく保守点検及び清掃に係る諸基準に違反している恐れがあると考えられ、改善を要すると認められる場合


検査後約2週間~20日後に郵送で結果書を発送致します。
浄化槽の施工状況、改善箇所等を写真、図等により詳しく説明しております。

速やかに改善を要する項目につきましては、施工業者、保守点検業者へ連絡いたします。

 ■事後確認
7条検査で不適正と判断されたものについては、その後の改善状況を保守点検業者から確認します。
 ※改善状況に関しては行政機関にも報告します。

第7条検査結果書の例








検査後約10日~2週間後に郵送で結果書を発送致します。

速やかに改善を要する項目につきましては、保守点検業者へ連絡いたします。



 ■事後確認
11条検査で不適正と判断されたものについては、その後の改善状況を保守点検業者から確認します。
 ※改善状況に関しては行政機関にも報告します。

第11条検査結果書の例

特に問題のある施設につきましては二次検査を行います。

 ※二次検査:
処理水の水質が著しく悪化している浄化槽を対象に、聞き取り調査や詳細な水質分析を行い、水質改善に向けて提言します(無料)
 


検査手数料は浄化槽の大きさによって異なり、以下のように定められています。(非課税)
※検査手数料は岩手県告示第282号に基づきます。


第7条検査


第11条検査

人槽区分料金
20人槽以下¥11,000
21人槽~50人槽¥13,000
51人槽~100人槽¥14,000
101人槽~200人槽¥17,000
201人槽~300人槽¥18,000
301人槽~500人槽¥20,000
501人槽~1000人槽¥23,000
1001人槽以上¥26,000


人槽区分料金
20人槽以下¥5,000
21人槽~50人槽¥7,000
51人槽~100人槽¥8,000
101人槽~200人槽¥11,000
201人槽~300人槽¥12,000
301人槽~500人槽¥14,000
501人槽~1000人槽¥17,000
1001人槽以上¥20,000



検査手数料のお支払い方法は以下の通りになります。

■検査当日に現金でお支払い頂く方法
■検査後、指定口座に振り込んで頂く方法
 (検査結果書と一緒に請求書、振込用紙をお送りします。)

※口座振替は行っておりませんのでご了承下さい。




法定検査のお申し込みの流れは以下のようになります。

◎新規に浄化槽を設置した場合(7条検査)
使用開始時に当該保健所もしくは権限委譲市に届出と合わせて申し込みして頂きます。


◎既設の浄化槽に対し、新たに法定検査を受検していただく場合(11条検査)
当検査センターへ直接申し込みを頂きます。(保守点検業者等による代行も可能です)
019-614-0066(土日祝は休)までご連絡下さい。

※不明な点がございましたら、岩手県環境生活部資源循環推進課 又は当検査センターへお問い合わせ下さい。


正当な理由がなく法定検査の受検を拒否した場合、受検するよう指導及び勧告・命令等の規定があります。
この規定に違反すると30万円以下の過料に処せられることになりますので、ご注意下さい。 (浄化槽法第66条2項)