宮古保健所環境課
技師 池田 享司
明けましておめでとうございます。社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様には日頃から多大なるご協力を賜り、深く感謝しております。
私は、今年度から宮古保健所にて浄化槽業務を担当させていただいております。今までは試験検査部門におりまして、浄化槽に関しましては全くの素人でございますので、協会の皆様や諸先輩方から日々ご指導いただきながら、浄化槽業務に携わらせていただいております。
今回は、業務を通して感じたことについて書かせていただきます。
1.汚水処理施設整備について
平成16年度末をもちまして、本県の汚水処理施設整備率が62.3%に達し、順調に水洗化が進んでいることが分かります。しかし、本県の汚水処理整備状況は、未だ全国平均を下回っており、より一層の汚水処理設備整備推進が望まれます。
昨年2月には「いわて汚水適正処理ビジョン2004」が発表され、平成10年5月に策定した「新・全県域汚水適正処理構想」が見直されました。その中で浄化槽については目標普及率が上方修正されております。近年、個人設置型浄化槽の基数が伸び悩んでいるという話がなされるなかではございますが、広大な面積をもつ本県が効率よく汚水を処理するためには、やはり浄化槽によるところが大きいと思われますので、今後も協会の皆様はじめ、関係各所の皆様にはご協力お願いいたします。
2.所感
私事を申しますと、正直浄化槽に触れる機会というのはほとんどなかったように思います。小さいときは汲み取り便所であり、それから一気に公共下水道の水洗トイレになった感じがしております。従いまして、私の浄化槽に対するイメージは、家庭用というよりも事業系の汚水を処理する設備というものでした。ですから、公共下水道が普及していない区域で、一般家庭にこんなにも浄化槽が普及し、汚水が処理されていることは驚きでした。
公共下水道を普及させにくい区域では、個人設置の浄化槽は理想的でありますが、処理方法は微生物によるものですから、責任を持って管理しないと、すぐにその機能を失ってしまいます。特に、今年2月から浄化槽法施行規則の一部改正により、放流水水質基準も新たに施行されます。より一層の管理が求められますので、私たちは勿論のこと、日頃保守点検をされる皆様におかれましても、設置者の方へ浄化槽についてご説明をしていただき、浄化槽への理解を深めながら適正に管理していけたらと思います。
3.おわりに
私が現在お世話になっております宮古地域は、海に、山にと非常に自然豊かな美しい環境にあります。そこには希少な生物たちも多く住んでおります。こうした美しい環境を今後も保っていくためにも、排水をできるだけきれいにして自然に戻していく努力が必要であるはずです。水環境の保全には欠かすことの出来ない浄化槽の普及は、今後もおおいに期待されるところです。微力ではございますが、協会の皆様とともに、水環境の保全に尽力して行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。