検査員のつぶやき


   皆さん新年いかがお過ごしでしょうか?新人検査員で主に分析を担当している小野です。

 さて今年はオーロラの当たり年と呼ばれているのをご存知ですか?2011年から2012年は、オーロラが最も発生率が上がり活発になると予測されている年で、11年に1度訪れる周期の年です。オーロラは、太陽から来るプラズマ粒子が大気と衝突することで起こるのですが、粒子の量は太陽の活動状況によって増減しており、この増減は約11年の周期で繰り返しています。前回の2001年から11年経った今年がちょうどそのオーロラの当たり年なのです。

 そうです、今回は「オーロラ」をテーマにつぶやいていこうと思います。

 皆さん、オーロラと言ったら何色を思い浮かべますか?“七色に輝くオーロラ”というオーロラに関する表現をたまに見かけることがあります。しかし、これは間違いです。実は人が肉眼で確認できる、オーロラの基本的な色は、赤、緑、ピンク(または紫色)で虹ほど多くはありません。
 オーロラの光は虹と異なり、大気中の粒子そのものが発光する光です。先ほど、オーロラは太陽から来るプラズマ粒子が大気と衝突することで起こると書きましたが、オーロラの光の色はそのプラズマ粒子と大気中の粒子が衝突する高度によって変わります。

 例えば、高度200 km以上では赤色、200kmから100kmの低高度では緑色、そして稀ですが100km以下の最下部にピンク色や紫色を見ることができるようです。
 なぜ高度によって色が変わるのかというとその高度によって大気中を主に組成している物質が異なるからです。その物質とプラズマ粒子が衝突してなんやかんやで発するエネルギーがなんやかんやで光となって見えるのですがその時に何の物質に衝突するかによって見える色が違うということです。ちなみに赤と緑は酸素原子によるもの、ピンク色は窒素分子、紫は窒素分子イオン(N2+)です。通常見られるのは緑色のオーロラが多いようです(赤と緑の境は酸素原子の密度変化が影響しています)。

 最後に、余談ですが降り込む電子のエネルギーが高くなると、平均的なオーロラの発光高度は低くなるそうで、これはつまり、日本のような低緯度地方でも赤いオーロラが観測出来ることがあるそうです。その多くは北海道ですが、1958年2月11日には北陸から関東にかけて、さらに1770年9月17日には長崎でも観測されたという記録が残っています。最古の記述は日本書紀まで遡り、推古天皇統治時代の620年に、天に赤気が現れ長さは一丈(約3.8 m)あまり、雉の尾のようであったと記録が残っているとWikipediaにも載っていました。もし見たいという方は目安として、太陽で大きな爆発があったときそれから2~3日後に、プラズマ粒子が地球に到達すると言われています。その時を狙って夜空を見上げてみてはいかがでしょうか?

 それでは皆さんよいお年を。
   

検査員 小野拓哉