検査員のつぶやき


 あー、あつい、あつい、と言っていたのはついこの前のような気がします。時が経つのが早く感じます。歳をとってきているせいなのでしょうか。私は、今年ついに40代の仲間入りです。この職場にお世話になってから約15年が過ぎました。今までご指導していただいた3名の先輩方が昨年末に定年で退職となり寂しい限りです。
 さて、寂しい出来事といえば昨年末に昭和の名俳優が相次いで亡くなったことですね。私は映画が好きで、なかでも高倉健さんの出演作品をよく鑑賞していました。若い時代は任侠ものなどで人気を博し、極寒の地で撮影の「八甲田山」や「南極物語」、晩年には「鉄道員」など計205本に出演され、みなさんもご存知の映画もあるのではないでしょうか。
 個人的に印象に残っている映画は「幸せの黄色いハンカチ」(1977年)です。舞台は北海道で、高倉健扮する主人公が刑期を終え網走刑務所から出所します。出所した当日に以前別れた奥さんにあて手紙を出しました。その手紙は「もし、今でも帰りを待っていてくれているなら、家の外に黄色いハンカチを下げておいてほしい」という内容でした。おかえりなさいというのがこの映画のテーマで、最終的に幸せな結末を迎えるのです。
 この映画のストーリーも感動的ですが、高倉さんの生き方が映画にそのまま出ているんじゃないかと想像させられます。寡黙で一途、無愛想だがどこか人としての温かさを感じさせてくれるイメージがあります。感動的なラストシーンでは演技に慣れていない共演者(武田鉄矢)の涙がなかなか出ず、高倉さんが気遣い「長い間世話になったな。東京に帰ってもまた会おう」と一言かけて間をあけてあげたそうですね。また出所直後に立寄る食堂での食事シーンのために、2日間ほど絶食して撮影にのぞんだともいわれています。他人に優しく、自分に厳しく、こういう方のことを仕事のプロフェッショナルというんでしょうね。
 高倉さんの座右の銘は「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」で、進むべき道において決して努力はやめない。我慢し続けて一生終えても悔いはないという意味だそうです。どんな仕事においても通じるものと思い、その言葉に心をうたれました。たとえ報われなくともやり続ける、待ち続けることも大切な事なのかなと感じます。希望をもって生きていけたらいいですね。
 最後に、仕事には全く関係のないテーマですみません。暖かい春が待ち遠しい今日この頃ですが、みなさん体調や交通安全に気をつけてがんばっていきましょう。
 

検査係長 佐藤 聡明