「新年の御挨拶」

公益社団法人 岩手県浄化槽協会
会長 関根 信


 謹んで皆様に新年のお慶びを申し上げます。
 昨年末には、厳しい寒さや雪に見舞われた地域が多かった県内ですが、お正月は穏やかに迎えられたことと思います。
 当県では、大震災からは本格復興の加速、来年の秋には「いわて国体」開催、県南では国際リニアコライダー誘致など、経済活動にかかわる前向きな話題がクローズアップされる期待の年となります。日本経済全体が持続的に上向きになることも大きく望まれています。あらためて、当協会にとっては、業界としての社会的な地位、指定検査機関としての信頼性向上等に継続的に取り組んでいくことがより重要な時期になると認識しています。

 ご存知の方もいると思いますが、昨年、環境省は、浄化槽に関する懇談会を設置しました。情報によれば、「26年度中にとりまとめをしたい。」という担当部長答弁が参議院・環境委員会でなされたと言うことです。
 維持管理の3本柱である「保守点検・清掃・法定検査」のあり方についてや、みなし浄化槽の取り扱い(当然、合併浄化槽への転換が論点です)など多岐にわたる課題が挙げられているようです。
 いままでも、行政担当者会議において、浄化槽台帳整備の推進や、浄化槽整備区域の設定促進などを施策課題としてきた環境省ですが、国会での議論を契機に全般的なとりまとめの必要が高まったものと思われます。
 地方自治体の財政事情、人口減少社会への突入で、思わぬ形で浄化槽への注目が高まり、従来からの課題が一気に吹き出した感があります。
 当協会としても、上部団体である全国浄化槽団体連合会と、その地区協議会とも連携を密にして、皆様と一緒にこれからの浄化槽発展に取り組んでまいります。会員の皆様には、新しい浄化槽施策にいち早く順応できるよう、日頃の業務を再チェックして頂くことをお願いします。
 ところで、昨年は、県当局によって維持管理研修が開催されました。多くの協会員が受講され、研鑽を深めて頂いたことを心強く思っています。
 一方で、水質改善提言委員会における整理で、維持管理業者の技術レベルについて、なお一層の改善が必要との指摘が続いています。協会員の皆様には、現状に甘んじることなく、県内維持管理業のリーダーとして、技術のレベルアップをお願いします。

 課題ばかりを申し上げてしまいましたが、課題を克服した先に業界の地位向上があることは、皆様もご認識のことと思います。課題克服は、当業界のチャンスでもあります。協会員で協力し、チャンスを活かしていきましょう。

 むすびに、課題の多い協会から、虫の良いお願いで恐縮ですが、本年も引き続き、行政・関係者皆様から、より一層のご指導を賜りますようお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせて頂きます。