年頭の御挨拶

岩手県知事
達増 拓也


 謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

 公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、浄化槽の普及促進や適正な維持管理など、本県の浄化槽行政全般に対しまして多大なる御支援、御協力を賜り、心から御礼申し上げます。

 さて、昨年は、日本で開催されるラグビーワールドカップ2019の会場の一つとして釜石市が選ばれ、さらに、平泉町の「平泉の文化遺産」(平成23年登録)に続き、釜石市の「橋野鉄鉱山」を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産に登録されるなど、国内外に岩手県の素晴らしさを発信した年となりました。一方で、「平成27年9月関東・東北豪雨」による災害では、本県における人的被害は無かったものの、改めて自然災害の怖さと平時からの備えの必要性を感じたところです。

 東日本大震災から5度目の新年を迎えましたが、岩手県の復興計画では、平成26年度から28年度までの3年間を「本格復興期間」と位置付けており、本年は、本格復興期間の総仕上げの年にあたります。復興事業の象徴的存在であった陸前高田市のベルトコンベヤーも役目を終えるなど、被災地における住宅の再建、まちの再生、産業の復興に向けた取組が着実に進められております。

 また、今年は、「広げよう 感動。伝えよう 感謝。」をスローガンとする希望郷いわて国体・希望郷いわて大会が開催され、全国から多くの方々が来県する1年となります。復興のシンボルとなる両大会の成功に向けて、引き続き御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 県の汚水処理に関しては、平成23年に「いわて汚水処理ビジョン2010」を策定し、平成30年度までに水洗化人口割合を77%とするため、浄化槽を含む汚水処理施設の整備を促進しております。平成26年度末現在、下水道、農業集落排水など水洗化の整備手法のほとんどがそれぞれの計画値を下回る中で、浄化槽を利用している人口割合は、最終年度の計画値(13.7%)を既に上回り13.8%となっております。浄化槽は、多くの農山漁村地域を抱える本県にとって重要な汚水処理施設であることから、今後も市町村と連携して整備促進を図っていきたいと考えております。

 貴会では、浄化槽法に基づく法定検査、調査研究などを中心に、浄化槽の普及啓発、適正な管理に向けた様々な活動を展開されております。特に、浄化槽法第11条に基づく法定検査実施率は全国的にも優れた実績であることに加え、法定検査による水質分析結果などから得られた知見に基づき、浄化槽の適正な維持管理に向けて県に提言をいただいているところです。今後も、貴会と連携して浄化槽の適正な維持管理を確保していきたいと考えておりますので、なお一層の御協力、御支援を賜りますようお願いいたします。

 結びに、貴会及び貴会員の皆様のますますの御発展と御多幸を祈念いたしまして、新年の挨拶といたします。