「年頭の御挨拶」

岩手県知事
達増 拓也


 謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
 公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、浄化槽の普及促進や適正な維持管理など、本県の浄化槽行政全般に対しまして多大なる御支援、御協力を賜り、心から御礼申し上げます。

 昨年は、全国知事会議が東日本大震災津波の被災県である本県で開催され、「国民みんなで力を合わせ必ずや復興(復幸)を成し遂げ、災害の教訓を次世代に継承していく。そして、あらゆる災害に負けない『千年国家』を創り上げる」ことを目指す「岩手宣言~『千年国家の創造』~」を採択し、復興に取り組む本県から復興と防災に関する力強いメッセージを全国に発信することができました。

 東日本大震災津波から7度目の新年を迎え、本県では、復興計画の最終段階である「更なる展開への連結期間」として、復興事業の総仕上げを視野に、復興とその先を見据えた地域振興に向けた取組を進めており、「いわて県民計画」の後継となる次期総合計画においても、復興に向けた基本方針に掲げた原則を引き継ぎ、市町村や国と一体となった切れ目のない取組を推進していきたいと考えております。

 さて、貴会においては、衛生的で快適な生活環境の確保に向けて浄化槽法に基づく法定検査、浄化槽に係る調査研究や普及啓発、技術向上のための研修の取組など、様々な活動を展開されております。特に、本県の浄化槽法第11条に基づく法定検査の検査率が全国トップクラスの水準を維持していること、また、法定検査による水質分析結果や設置使用状況などから得られた知見に基づき、浄化槽の適正な維持管理に向けて県に提言をいただいていることについては、本県の浄化槽の普及促進において多大な貢献をいただいているものと考えております。今後とも様々な課題に積極的に取り組み、一層御活躍されることを心から御期待申し上げます。

 県では、「いわて汚水処理ビジョン2010」に基づいて汚水処理を推進しておりますが、現在、2018年度以降の取組の構想策定を市町村とともに進めております。次期構想においては、汚水処理施設の整備促進に向けて、将来の人口や社会経済情勢の変化を捉え、地域の実情を踏まえた効率的な整備を進めることとしております。そうした中で、広大な県土を有する本県において、個別整備が可能な浄化槽は、今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。浄化槽の整備促進に当たっては、浄化槽がその機能を十分に発揮できるよう適正に維持管理していくことが前提であり、これまで以上に、貴会と連携して適正な維持管理の確保に向けて取り組んで参りたいと考えておりますので、一層の御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、貴会及び貴会員の皆様のますますの御発展と御多幸を祈念いたしまして、年頭の挨拶といたします。