「年頭の御挨拶」

岩手県知事
達増 拓也


 謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
 公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、浄化槽の普及促進や適正な維持管理など、本県の浄化槽行政全般に対しまして多大なる御支援、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 貴会におかれましては、衛生的で快適な生活環境の確保に向けて、浄化槽法に基づく法定検査、浄化槽に係る調査研究や普及啓発、技術向上のための研修の取組など、様々な活動を展開されており、本県の浄化槽の適正な維持管理の向上に多大な貢献をいただいております。

 また、貴会岩手県浄化槽検査センターによる本県の浄化槽法第11条に基づく法定検査の受検率は、全国トップクラスの水準を維持しており、法定検査による水質分析結果や設置使用状況などから得られた知見に基づき、浄化槽の適正な維持管理に向けて県に御提言をいただいております。今後とも、様々な課題に積極的に取り組み、快適な生活環境の確保に向けて一層御活躍されることを心から期待申し上げます。

 さて、昨年は、一戸町の御所野遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録や、大リーグ・大谷翔平選手のMVP受賞など、県民に大きな喜びや感動をもたらす出来事が多くありました。

 一方で、全国にかつてない規模で拡大した新型コロナウイルス感染症に対し、県独自の「岩手緊急事態宣言」への対応など、県民の皆様に多くの御理解と御協力をお願いした1年となりました。改めて、県民の皆様に感謝申し上げます。

 県では、新型コロナウイルス感染症対策として、感染拡大時にも対応できる検査体制や医療提供体制を整えるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により困窮されている方々への支援や「いわて飲食店安心認証制度」により安心して飲食できる環境の提供を行うなど、引き続き感染拡大の防止と社会経済活動を支えるための取組を推進していきます。

 また、汚水処理施設の整備等に関する構想として、「いわて汚水処理ビジョン2017」を策定し、2025年までに汚水処理人口普及率を91%とする目標を掲げております。令和2年度における汚水処理人口普及率は約84%であり、このうち浄化槽の割合は約14%となっております。本ビジョンでは、将来の人口や社会経済情勢の変化を捉え、地域の実情を踏まえた効率的な汚水処理施設の整備を進めることとしており、広大な県土を有する本県において、個別整備が可能な浄化槽は、今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。浄化槽の整備促進に当たっては、浄化槽がその機能を十分に発揮できるよう適正に維持管理していくことが前提であり、これまで以上に、貴会と連携して適正な維持管理の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、一層の御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、貴会及び会員の皆様のますますの御発展と御多幸を祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。