「年頭の御挨拶」

岩手県知事
達増 拓也


 謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
 公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、本県の浄化槽行政全般につきまして多大なる御支援、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 
 また、浄化槽法に基づく法定検査、浄化槽に係る調査研究や普及啓発、適正な維持管理に資する技術向上のための研修の取組など、様々な活動を展開されており、本県の衛生的で快適な生活環境の確保に多大な貢献をいただいております。

 平成22年に貴会岩手県浄化槽協会理事に就任された大粒来和彦様におかれましては、平成23年に発生した東日本大震災津波の混乱期において法定検査の円滑な推進を図ったほか、平成25年4月の貴会の公営法人化への円滑な移行に御尽力されたこと等の功績により、岩手県環境保全活動表彰を受賞され、誠におめでとうございました。

 貴会岩手県浄化槽検査センターによる本県の浄化槽法第11条に基づく法定検査の受検率は、全国トップクラスの水準を維持しており、法定検査による水質分析結果や設置使用状況などから得られた知見に基づき、浄化槽の適正な維持管理に向けて県に御提言をいただいております。今後とも、様々な課題に積極的に取り組み、快適な生活環境の確保に向けて一層御活躍されることを心から期待申し上げます。

 さて、昨年は、日本スポーツマスターズ2022、IFSCクライミングワールドカップなどが開催され、県民に大きな感動と勇気をもたらす出来事が多くありました。

 一方で、全国にかつてない規模で拡大した新型コロナウイルス感染症に対し、基本的な感染対策とともに、旅行等の参加の際には、事前のワクチン接種や検査を活用いただくなど、県民の皆様に多くの御理解と御協力をお願いした1年となりました。改めて、県民の皆様に感謝申し上げます。

 県では、ワクチン接種体制の強化などの感染症対策に加えて、コロナ渦における原油価格・物価高騰等への対策として、事業者等への支援を行うなど、引き続き感染拡大の防止と社会経済活動を支えるための取組を推進していきます。

 また、汚水処理施設の整備等に関する構想として、「いわて汚水処理ビジョン2017」を策定し、2025年までに汚水処理人口普及率を91%とする目標を掲げております。令和3年度における汚水処理人口普及率は約84%であり、このうち浄化槽の割合は約14%となっております。本ビジョンでは、将来の人口や社会経済情勢の変化を捉え、地域の実情を踏まえた効率的な汚水処理施設の整備を進めることとしており、広大な県土を有する本県において、個別整備が可能な浄化槽は、今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。浄化槽の整備促進に当たっては、浄化槽がその機能を十分に発揮できるよう、これまで以上に、貴会と連携して適正な維持管理の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、一層の御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、貴会及び会員の皆様のますますの御発展と御多幸を祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。