「新年の御挨拶」

公益社団法人 岩手県浄化槽協会
会長 関根 信


 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 常日頃から当協会に対して御支援、御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症が第5類に移行しインバウンドが回復した一方、ウクライナ情勢に加えイスラエル・パレスチナ情勢の悪化など世界不安が拡大しましたほか、日本各地でゲリラ豪雨による被害が多発、さらには記録的な猛暑となるなどまさに驚天動地の一年でした。
このような状況の中、会員各位、関係各位におかれましては、高騰する物価対策、熱中症対策など労働安全衛生に取り組みつつ、岩手の水環境を良好に保つため、浄化槽関連業務にご尽力いただいたものと拝察いたします。
 さて、当協会では会員及び浄化槽保守点検業者の資質及び技術の向上を目的といたしまして、昭和58年から技術研修会を開催してきたところです。
令和2年度から令和4年度までは新型コロナ感染症の影響により開催を見合わせていたところですが、昨年12月5日(火)、滝沢市の‟ツガワ未来館アピオ„岩手産業文化センターにおいて4年ぶりに開催することができました。今年度の技術研修会は、4年ぶりの開催に加え、岩手県及び盛岡市の条例に基づき令和2年度から実施している管理士研修会の開催時期や研修内容との調整があったため例年より遅い開催となってしまいましたが、多く方に参加して頂き、充実した研修会となりました。後援いただいた岩手県知事様及び関係各社様のご協力に対しましてあらためて感謝申し上げます。
 また、去る1月26日にはホテルメトロポリタン盛岡本館において新春研修会・懇話会を開催させていただきました。
研修会では、県庁下水環境課主任・藤原由希様から「岩手県における浄化槽整備の状況について」ご講演をいただきました。全国と岩手県の浄化槽設置に関する比較を始め、汚水処理人口普及率を全国並みに向上させていくためには、浄化槽の増加が必須であることや設置を促進するための国庫補助制度の拡充などについて説明いただきました。また、4年ぶりに外部講師をお招きすることができ、国立研究開発法人国立環境研究所の蛯江美孝から「日本の浄化槽システムと世界の動向」についてご講演いただきました。2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された持続可能な開発目標、いわゆるSDGsの6番目の目標に「安全な水とトイレを世界中に」と掲げられていますが、浄化槽はまさに、この目標達成に大きく貢献する、日本が世界に誇れる技術であります。
蛯江美孝様のご講演は、私たち浄化槽に関わる業界にとって今後の明るい未来を予感させる、まさに新年にふさわしい講演であったかと思います。
 2024年の干支は甲辰(きのえ・たつ)です。「甲」は優勢であること、まっすぐに堂々とそそり立つ大木を表し、「辰」は架空の生き物である龍のことですが、「龍が現れるとめでたいことが起こる」と伝えられてきました。この2つの組み合わせである甲辰はとても縁起がいいことを表しているそうです。
協会役職員一同、会員の皆様、業界の活動が、この「甲辰」の勢いに乗って一層進展するよう努めて参ります。この一年が皆様にとって一層の飛躍の年となることを祈念いたしまして、年頭の御挨拶といたします。