検査員のつぶやき


 暑い夏こそ温泉だと思い立ち宮城県鳴子温泉へ。
 向かう途中で鳴子ダムの看板を見つけたので行ってみました。鳴子ダムは国内で初めて日本人のみの手で造られたアーチ式コンクリートダムとのことで、すだれ放流と呼ばれる観光放流は大迫力で多くの人に親しまれているそうです。土木科卒の私は昔勉強したなと懐かしくなりダムについて勉強しなおすことにしました。
 ダムは主にコンクリートダムとフィルダムに分けられ、建設する場所や地盤の強度によって種類が決められます。ダムの代表的な形式には以下のようなものがあります。

   ・重力式コンクリートダム 花巻市:田瀬ダムなど
 ダムの自重と底部の岩盤で水圧を支えるダム。横から(断面図)みると直角三角形に近い形をしており、コンクリートダムでは日本で最も多い形式です。
 ・アーチ式コンクリートダム 宮城県:鳴子ダムなど
 上流側にアーチ状に張り出し、アーチ作用によって水圧を両岸と底部の岩盤で支えるダム。重力式コンクリートダムに比べ建設にかかるコンクリート量が少なくて済みます。
 ・ロックフィルダム 奥州市:胆沢ダムなど
 岩石、砂利、砂、土質材料などで建設するダム。コンクリートダムと比べ自重が軽いため軟弱地盤や断層のある場所に適しています。
 ・複合ダム 盛岡市:御所ダムなど
 地盤の強度にあわせて2種類以上の形式を複合しているダム。重力式コンクリートダムとロックフィルダムとの組み合わせが多いです。
 
 では上記のことを踏まえ、テレビなどで一度は目にしたでありましょう、富山県にある黒部ダムはどれにあたるのでしょうか。アーチ状の形をしているのでアーチ式では?と思いましたがアーチ+重力の複合ダムだそうです。私も調べて初めて知りましたが、よく見るとダム上部の両岸が突き出ていてコンクリートで支えられています。
 ダムは洪水調整、水資源の確保、発電など様々な役割を担い、私達の生活を支えてくれています。たまにはダムを見にドライブなんていかがでしょうか。
 

検査員 大川 優