「新年の御挨拶」

公益社団法人 岩手県浄化槽協会
会長 関根 信


 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 常日頃から当協会に対して御支援、御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 2024年は、元日から能登半島地震が発生し、衝撃的な年明けとなりました。同地域では9月に豪雨災害もあり「二重災害」となってしまいました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げますと共に、1日も早い復興をお祈り申し上げます。

 能登半島地震では上下水道に甚大な被害があるなど災害が多発、激甚化しており、「災害に強い」と言われていた浄化槽についても、東日本大震災と比較し被災率が高かったと報告されております。

 一方、国土交通省・上下水道地震対策検討員会の最終報告書がとりまとめられ、令和6年9月30日に公表されましたが、この報告書の「被災市町の復興に向けた上下水道の整備の方向性」において、「施設規模の適正化や施設の広域化・統廃合の可能性や被災時の機能確保方法も検討しつつ、必要に応じて運搬送水や浄化槽等の分散型システムの活用も含め、災害に強く持続可能な将来にふさわしい整備を行うべき。」とされました。

 能登半島地震などの震災や豪雨災害を通して、浄化槽の役割がクローズアップされてきており、これまでの下水道を補完するとの位置づけから役割を分担するものに位置づけられつつあり、今後の汚水処理にとって浄化槽は大きな役割を果たしていくこととなります。

 また、来年度は「保守点検・清掃の実施状況の報告義務化」など、議員連盟決議による浄化槽法改正が予定されており、私たち浄化槽関連業者を取り巻く環境は大きく変化するとともに、その役割は、今後、ますます重要性を増してくるものと考えられます。

 このような状況の中で、岩手県浄化槽協会としましても、浄化槽業界の趨勢に後れをとらぬよう、会員各位が担っている浄化槽の施工、保守点検、清掃における質的向上が図られるよう努力・研鑽していく必要があると考えており、また、今後の災害への備えとしての浄化槽台帳システムのレベルアップと保守点検、清掃の情報を取り入れたDX化についても協会として行政に協力していく必要があると考えております。

 今年の干支は「巳」であり、脱皮をする蛇のイメージから巳年は「復活と再生」を意味するとのことです。植物に種子ができはじめる時期、次の生命が誕生する時期など、新しいことが始まる年になると言われています。また、「巳」を「実」にかけて「実を結ぶ」年とも言われるようです。

 協会役職員一同、会員の皆様、業界の活動が、「実を結び」一層進展するよう努めて参ります。この一年が皆様にとって飛躍の年となることを祈念いたしまして、年頭の御挨拶といたします。