「年頭の御挨拶」

岩手県知事
達増 拓也


 令和7年の年頭に当たり、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
 公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、浄化槽の普及促進や適正な維持管理など、本県の浄化槽行政全般に対しまして多大なる御支援、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 また、貴会副会長である大粒来和彦様におかれましては、永年にわたり浄化槽の保守点検及び清掃業務を通じ生活環境の保全及び公衆衛生の向上に努められたほか、業界の発展に御尽力されたこと等の御功績により、環境大臣表彰を受賞されたところであり、心からお祝いを申し上げます。

 貴会におかれましては、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与することを目的として、浄化槽法に基づく法定検査、浄化槽に係る調査研究、普及啓発及び技術向上のための研修会の開催など、様々な取組を展開されております。
 こうした取組により、本県の浄化槽法第11条に基づく法定検査の受検率は、全国トップクラスの水準を維持しており、浄化槽の適正な維持管理の向上に多大な貢献をいただいております。
 また、浄化槽の使用状況や法定検査による水質分析結果などから得られた知見に基づき、水質改善に向けた対策を県に御提言いただくなど、課題解決に向けた取組を積極的に実施いただいているところであり、今後とも、衛生的で快適な生活環境の確保に向けて一層御活躍されることを心から御期待申し上げます。

 昨年、中国・大連で開催され、世界各国から、政財界や国際機関のリーダー、企業家、学術関係者などが参加した「夏季ダボス会議」に参加しました。ダボス会議を主催している世界経済フォーラムが発表した「これからの経済成長レポート2024」では、今後の経済成長の条件として、「持続可能」かつ「強靭」であることを挙げています。環境にやさしく、災害に強い浄化槽は、こうした条件を備えており、今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。

 岩手県では、令和8年度までの4年間を計画期間とする「いわて県民計画(2019~2028)」第2期アクションプラン「政策推進プラン」において、自然と調和した衛生的で快適な生活環境の保全のため、地域の実情に合った効率的な汚水処理施設の整備を推進することとしています。
 また、汚水処理施設の整備等に関する構想として、「いわて汚水処理ビジョン2017」を策定し、令和7年度末までに汚水処理人口普及率を91%とする目標を掲げております。個別整備が可能な浄化槽は、広大な県土を有する本県の汚水処理に必要不可欠な施設であり、その整備促進に当たっては、浄化槽が機能を十分に発揮できるよう、これまで以上に貴会と連携して適正な維持管理の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、一層の御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、貴会のますますの御発展と、会員の皆様の御健勝、御多幸を心から祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。