岩手県環境衛生課
畠山 得三
(社)岩手県浄化槽協会会員の皆様におかれましては、県民が健康で快適な生活を送るうえで欠く事のできないお仕事に日々御精励されておられますことは、私ども衛生行政に携わる者にとって誠に心強い限りであります。
日本の生活水準は、昭和40年代の高度経済成長時代を経て欧米先進国並みになりましたが、水洗化人口(公共下水道処理人口+浄化槽処理人口)の比率は、全国平均で46%、本県においては16%となっており、米国の90%、英国の97%等に遠く及ばない現状にあります。
また、本県において現在建設を進めている流域下水道等の工事が計画どおり進行しても、昭和70年における下水道普及率は16%程度であり、トイレを水洗化して快適な生活をしたいという県民の願いに応ずるためには、浄化槽の普及促進を図ることが必要であります。
本県の浄化槽設置基数は、昭和58年3月末現在で10,356基と、ようやく1万基の大台を超えましたが、他県に比較すると著しく少ない設置基数となっております。本県の浄化槽設置基数が少ない原因としては、県民の所得水準が低いこと、放流先の同意が得られないため設置したくともできない場合があること、水洗化による快適さ、便利さについてのPRが不足していること等があげられます。今後、県としてもこれらの阻害原因の解消に努力してまいりますが、浄化槽の設置基数の増加を図ることは、皆様のお仕事の発展にもなることですので、ご協力の程よろしくお願いいたします。
一方、浄化槽設置基数の増加は、浄化槽排水による河川等の水質に与える影響も大きくなることになりますので、浄化槽の保守点検を適正に行うとともに、法定検査の受検の推進についても、これまでどおりよろしくお願いいたします。