岩手県宮古保健所衛生環境課
主任 田村良彦
(社)岩手県浄化槽協会会員の方々には、残暑お見舞い申し上げます。
私は、宮古保健所に赴任してほぼ1年半になりますが、あらためて浄化槽業務の難しさを実感しているところです。数年間、浄化槽業務にブランクがあった間に、構造基準の改正等があったことなどから、種々戸惑うことが多く、浄化槽検査センターの皆様をはじめ、保守点検及び施工業等の方々から親切にご指導いただいているところです。
それでは、この場を利用させていただきまして、日頃業務を通じて感じていることなどについて若干自己主張させていただきたいと思います。
1 浄化槽設置状況
宮古保健所管内における浄化槽の設置状況等についてご紹介します。
平成11年度末現在における浄化槽設置基数は1,843基であり、宮古市や山田町における設置数が多くなっています。
また、平成11年度設置基数は172基であり、なんと単独浄化槽は1基もありません。大変すばらしいことです。これも協会会員の方々をはじめ関係者のたゆまぬご努力の賜物と信じております。
さらに、各市町村において、下水道及び漁業集落排水処理施設の整備が着々と進んでいることを考慮すると、当初管内の浄化槽設置状況は大変すばらしい状況であると思われます。欲張りな希望を言わせてもらえるなら、町村におけるさらなる合併浄化槽の普及及び浄化槽の面的整備が待たれるところではありますが・・・。
2 合併処理浄化槽設置整備事業
平成11年度から当所管内すべての市町村において合併処理浄化槽設置整備事業がようやく始まっており、積極的な普及啓発を推進している状況です。
なお、平成11年度設置分における整備事業分の割合は約80%となっています。
上記にあるように当所管内においては全市町村が事業を積極的に推進中ですが、県内全体的に言えることではあると思いますが、当該事業が導入されてから10数年経過しており、行政を含めた各関係者にもある種の疲労が見えてきたようです。関係者の方々におかれましても、初心に立ち返りますますの事業の推進にご努力をお願いたしたいと思います。
3 水環境保全の普及啓発
宮古地区の環境保全活動の積極的な推進を図るために、当所において、様々な事業を推進しています。合併浄化槽の整備促進もそのひとつですが、平成12年度は、地域や学校における環境保全活動のリーダーを養成することを目的とした「エコスクールいわて宮古校」及び家庭から環境問題を再認識してもらうことを目的とした「夏休み親子環境モニター」事業を中心に進めています。
地球環境問題等全国的に環境について議論されている昨今ですが、その追風の今、家庭内からの環境問題等身近なレベルでの意識啓発が必要なのではないでしょうか。下水道未普及地域の小中学生のほとんどが浄化槽そのものを知らせないこと等を考えると、その意識啓発の中心に浄化槽が位置付けられているのかも知れません。