岩手県盛岡保健所環境課
主任 多田敬子
(社)岩手県浄化槽協会および関係者の皆様には、浄化槽の維持管理等について日頃からご尽力いただきありがとうございます。
転勤族の私は様々な部門に就く機会がありますが、保健所の衛生行政については担当して4年になります。皆様にご指導やご協力を頂いている毎日ですが、業務を通じて感じていることを書かせていただきます。
1.浄化槽設置状況
盛岡保健所管内は11市町村と大世帯で、設置基数も1万基を超え、平成13年度の設置基数は653基となっています。
昨年あたりから、人口の割には新設率が伸び悩んでいるという個人的感想ですが、これは公共下水道等の普及というより、やはり不景気が原因のひとつでしょうか。
新設の届出では、施主の方々と実際会う機会は希ですが、その建築図面からは夢が伝わってきます。
大げさですが、レバーひとつの「水洗化」によって、家に若者が戻ってきて、その結果、地域活性化につながることでしょう。
「我が家に子供が帰ってきた。嫁がきた。」現象を密かに期待しています。
2.特定地域生活排水処理事業
昨年度、管内葛巻町において特定地域生活排水事業が採択されました。
設置から維持管理に至るまで課題等様々あり、町担当者の方と各方面から情報を集めながら、今年度も進めていますが、今後、公共下水道との格差感が解消するものと期待しています。
3.浄化槽の普及促進
多くの浄化槽担当者が感じていることと思いますが、普及促進には、まず浄化槽の知名度をあげることです。
「浄化槽って?」子供ならともかく、大人にも笑顔で聞かれることもたびたび・・・残念です。
また、浄化槽の機能や維持管理(保守点検、清掃、法定検査など連携業務)について、「知らなかった。保守点検の他に法定検査も必要なのか。」という管理者の声が意外と多いこと。
そういう私も、幼少時期は便所はくみ取り、生活雑排水は「生」のまま側溝へという環境でした。知らないとは怖いもので、「わたしの常識はみんなの常識」でした。
私の排出物は? みにくい姿は見たくないですよね。
この疑問を持つこと、そして答えることが普及促進への第一歩と考えます。
良好な水環境の保全のために浄化槽の普及、整備が大きく展開すればするほど、浄化槽に係る者の役割は重要になってきます。
今後とも皆様と連携をとりあい、県民とのパイプを強化し、努めていきたいと考えますので、ご協力を改めてお願い致します。