「新年のごあいさつ」

宮古市上下水道部下水道課
  技師 川又 康明


 新年明けましておめでとうございます。社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様には日頃から多大なるご協力を賜り、深く感謝申し上げます。このたびは、寄稿依頼をいただきありがとうございます。私が浄化槽に関連する業務を通じて感じたことを書かせていただきます。
 私は、平成18年度に宮古保健所で初めて浄化槽業務を担当させていただき、県から宮古市への権限委譲に伴い、19年度から宮古市の下水道課に派遣されております。  
 宮古市は、10年間で1,500基の浄化槽の設置を目標として、19年4月より設置から維持管理まで市が事業主体となって行う市営浄化槽事業を開始し、10月からは県内では紫波町、奥州市に次いで3番目となるPFI事業を開始しています。
 私は、届出等の書類の審査や維持管理の指導等の他、市町村等で構成されている岩手県合併処理浄化槽普及促進協議会の事務局の業務を担当させていただいており、また、PFI事業に移行するまでの市営浄化槽事業のお手伝いをさせていただきました。   派遣されてから9ヶ月間の業務を通じて、業者や他市町村の担当の方に今まで聞いたことのない話(県にはなかなか言えないこともある?)を聞いたことや、県(保健所)ではなかなかできない経験をすることができて、非常にありがたいと感じています。特に、PFI事業移行前の市営浄化槽事業で実際に測量等の作業をさせていただいて、いつも見ている浄化槽設置届を作成するまでにやらなければならない作業や検討しなければならないことが意外に多いことに驚きました。  
 今年度から権限委譲した浄化槽法の事務については、今のところ順調に進んでいると思います。宮古市について言えば、同じ課に浄化槽に詳しい職員の方が結構いるので、相談できることも大きいと感じています。(私は委譲した事務を教える名目で派遣されていますが、実際は教えてもらうことが多いです。)
 また、委譲されたことによりプラスになっている部分が少なからずあるとも感じています。例えば、浄化槽から下水道への切り替えの際、下水道の申請と浄化槽の廃止の届出の窓口が同じであることがあります。行政の立場から見ても、法定検査結果が不適正だった場合の維持管理の指導を(全て市内なので)実際に訪問して行いやすいという点、台帳管理で下水道の台帳との整合性を図りやすくなったという点でもメリットがあったと思います。
  一方、私がいる下水道課は基本的に事業を推進する立場でもあるので、保健所のような監視・指導的立場と両方を持ち合わせることの難しさを感じることがありますし、管内の他市町村の届出や宮古市内でも建築確認を伴う設置の場合には保健所の手続きと、複雑になっている側面もあります。いずれにしても、今後、検証やさらなる検討が必要な部分もあるとは思います。
 皆様ご存知のとおり、浄化槽には集合処理に比べて経済性、効率性で優れているという特長があり、特に、本県のように人口散在地域が多い中では費用対効果で有効と言われています。本県の平成18年度末の汚水処理人口普及率67.3%を全国並みの80%台に引き上げるためには、浄化槽の普及にかかっているということは言うまでもありません。  そのような中、少しでも浄化槽を普及できるように微力ながら努めていきたいと考えておりますので、関係各位の皆様には今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。