「新年の御挨拶」

公益社団法人 岩手県浄化槽協会
会長 関根 信


 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 本年も昨春に引き続き、協会事務局がある盛岡近郊の街中ではほとんど雪が無く、大変穏やかな新年を迎えることができました。昨年11月に、京都議定書に代わる地球温暖化対策の新たな国際枠組みである「パリ協定」が発効しましたが、まさに温暖化の進行を実感するような年のスタートとなりました。
 昨年は、熊本地震に始まり、鳥取地震、台風10号による水害など自然災害が際立った1年だったように思います。被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧・復興をお祈りします。甚大な被害に改めて自然災害の怖さを思うとともに、災害に強い「浄化槽」を普及させていかなければならないとの思いを強くしたしだいです。
 さて、岩手県においては、平成30年度に水洗化人口割合を77%とする目標を掲げて取り組んでおられますが、平成27年度末時点で水洗化人口割合71.1%のうち浄化槽は14.1%を占めています。つまり、水洗化人口の約20%が浄化槽によるものとなっているわけです。さらに、県では、国が平成26年に策定した「都道府県構想策定マニュアル」を受けて、平成27年度及び28年度に「10年概成市町村アクションプラン」を策定中であり、平成29年度中にこれを取りまとめて新しい汚水処理ビジョンを策定し実行に移すものと聞いております。
 浄化槽は人口密集地域でなくとも効率的な整備が可能なことから、新ビジョンの中にその役割を適切に位置づけていただけますよう期待しているところですが、浄化槽の整備促進を進めるにあたっては、浄化槽の適正施工(機能保証制度も含む)、保守点検、清掃、法定検査の四輪が適正に機能することが前提であり、これまで以上に当協会の役割が大きくなるものと考えております。
協会といたしましては、下水道と同等な恒久的生活排水処理施設として、将来にわたって、県民の皆様に浄化槽を使い続けていただくために、関係者の技術のレベルアップと連携が必要であると思っておりますので、これまで以上に関係者方々のご支援をお願いしたいと考えております。
 今年は、酉(とり)年ということですが、「酉」は、十二支の第10番目で果実が成熟の極に達した状態を表しているとされます。また、酉の字は酒つぼを意味し、収穫した果実から酒を作るという行為に由来したという説もあります。年末には成熟した果実をきちっと収穫できるよう、役職員一同、協会の役割の大きさを認識し、関係機関、団体と連携して、法定検査・機能保証制度の運営を柱として、さまざまな研修や情報提供により、力一杯県民の皆様・協会会員のために活動してまいりますので、関係者の方々には、今までと変わらないご指導を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。