「新年の御挨拶」

公益社団法人 岩手県浄化槽協会
会長 関根 信


 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 会員各位をはじめ関係者の皆様におかれましては、新しい年をつつがなくお迎えになられたことと心からお慶び申し上げます。また、常日頃から当協会に対して格別なるご支援ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 昨年末は、全国的にここ数年にない寒波に見舞われ、年の瀬にかけて法定検査の実施においても適正な検査はもとより交通安全への配慮にも気を遣ったところですが、今年はぜひ天候に恵まれ穏やかな年になればと願っているところです。
 さて、岩手県においては、2016年度末における汚水処理人口普及率が79.8%となり一定の向上が見られるものの残念ながら全国第34位、東北4位といまだに低い位置にとどまっているところです。
 このことから、県においては2011年に策定した計画を見直し、この度、2025年を計画目標年度とする「いわて汚水処理ビジョン2017」を本年度内に策定されました。この新しいビジョンでは、汚水処理施設整備については今後10年程度で概成させるとの国の方針のもと、岩手県の汚水処理人口普及率を2025年度末までに91.0%までに引き上げようとする内容となっています。
 また、今後の取組の方向性として、人口減少社会を見据え、「積極的に将来の人口や社会情勢の変化を捉え、地域の実情を踏まえた整備手法を選定し、他の施設との連携を図るなど、効率的な整備を推進します。」とされています。
 このような状況において、下水道に比べ施工が容易で地域の事情に柔軟に対応することができ、投資効果も早期に実現できる浄化槽は、汚水処理人口普及率の向上において大きな役割を発揮するものと考えられます。また、近年、頻繁に発生する地震や水害などの災害においても個別処理という特性から管渠の長い下水道に比べて強靭であるという特徴も評価されて来ていることから、今後一層の普及が期待されるところです。
 なお、国においては浄化槽整備のための国庫助成において、交付金の増額や昨年度に大型浄化槽のブロア設備の省エネ化を図ることを目的として新たに創設された二酸化炭素排出抑制事業費等補助金が大幅に増額要求され、かつ対象も広げられる方向にあるなど国においても浄化槽に対する取組が強化されてきているところです。
 我々岩手県浄化槽協会としましても、会員各位が互いに研鑽し、保守点検をはじめとする技術のレベルアップを図り、浄化槽がより一層県民の皆様に認知され、信頼して頂けますよう取組を進めていく必要があると思われます。
 ところで、昨年は酉(とり)年ということで年頭のご挨拶でも「収穫の年」について由来をお伝えしました。今年は戌(いぬ)年で収穫した後のことを指すようで、「戌」は「滅(めつ)」という字から来ているとも言われ、あまり有難くない感じもするところです。しかし、これは酉年に収穫したものを「ひとつにまとめる」とか「保つ」という意味にも通じるようです。このことは、我々浄化槽の保守点検を通じて水質の保全に関わっている者にとって、一致団結して水質を保つということにつながり、まさにピッタリな年とも言える思いがします。
 本年も役職員一同、協会の役割の大きさを認識し、関係機関、団体と連携して、法定検査を運営の柱とし、様々な研修や情報提供により活動して参ります。
 会員各位、関係者の皆様には、一層のご理解、ご指導を賜りますようお願いを申し上げまして年頭の御挨拶といたします。