「年頭の御挨拶」

岩手県知事
達増 拓也


     謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
  公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、浄化槽の普及促進や適正な維持管理など、岩手県の浄化槽行政全般に対しまして多大なる御支援、御協力を賜り、心から御礼申し上げます。

 東日本大震災津波から8度目の新年を迎えましたが、昨年は、6月に宮古港と北海道室蘭港を結ぶフェリー航路の開設、8月に岩手県初の国際定期便であるいわて花巻空港・台湾便が就航されるなど、新たな交通ネットワークの構築により、産業の更なる活性化や交流人口の拡大が期待されております。このような社会情勢の変化など踏まえ、現在、岩手県では、復興とその先を見据えた今後10年間の施策推進の方向性や具体的な取組を示す、次期総合計画の策定に取り組んでいるところです。

 今年は、三陸地域全体をイベント会場に、総合的な防災復興行事「三陸防災復興プロジェクト2019」を開催するほか、ラグビーワールドカップ2019™が釜石市においても開催されます。これらを通じて、復興に向けた切れ目のない取組を推進するとともに、世界中からいただいた多くの復興支援に対する感謝の思いと復興の姿を国内外に発信していきたいと考えております。
 
 さて、貴会におかれては、衛生的で快適な生活環境の確保に向けて、浄化槽法に基づく法定検査、浄化槽に係る調査研究や普及啓発、技術向上のための研修の取組など、様々な活動を展開されております。特に、岩手県の浄化槽法第11条に基づく法定検査の検査率が全国トップクラスの水準を維持していること、また、法定検査による水質分析結果や設置使用状況などから得られた知見に基づき、浄化槽の適正な維持管理に向けて県に提言をいただいていることについては、岩手県の浄化槽の普及促進において多大な貢献をいただいているものと考えております。今後も様々な課題に積極的に取り組み、一層御活躍されることを心から御期待申し上げます。

 岩手県では、汚水処理施設の整備等に関する構想として、「いわて汚水処理ビジョン2017」を策定し、2025年までに汚水処理人口普及率を91%とする目標を掲げております。本ビジョンにおいて、将来の人口や社会経済情勢の変化を捉え、地域の実情を踏まえた効率的な汚水処理施設の整備を進めることとしており、広大な県土を有する岩手県において、個別整備が可能な浄化槽は、今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。浄化槽の整備促進に当たっては、浄化槽がその機能を十分に発揮できるよう適正に維持管理していくことが前提であり、これまで以上に、貴会と連携して適正な維持管理の確保に向けて取り組んでいきたいと考えておりますので、一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、貴会及び会員の皆様のますますの御発展と御多幸を祈念いたしまして、年頭の挨拶といたします。