岩手県知事
達増 拓也
謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、浄化槽の普及促進や適正な維持管理など、本県の浄化槽行政全般に対しまして多大なる御支援、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
また、昨年、貴会が設立50周年を迎えられましたことを心からお喜び申し上げます。
昨年10月に発生した台風第19号によって、東日本大震災津波からの復興に取り組んでいる被災地を中心に、生活基盤や産業基盤に再び甚大な被害を受け、尊い命と財産が失われました。改めて被災された皆様に心から御見舞いを申し上げます。
県といたしましては、被災した市町村や被災者の皆様の視点に立ち、一日も早い復旧・復興に取り組んでまいります。
東日本大震災津波から9度目の新年を迎えましたが、昨年は、三陸防災復興プロジェクト2019の開催、東日本大震災津波伝承館「いわてTSUNAMI(つなみ)メモリアル」の開館、さらに、ラグビーワールドカップ2019™の開催があり、これらの機会を通じて、東日本大震災津波の教訓の伝承や復興に力強く取り組んでいる本県の姿を国内外に発信し、岩手の魅力を伝えるとともに、交流人口の拡大につなげることができました。
今年は、復興五輪として東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されので、県としても、大会の成功を通じて、復興とスポーツ振興、共生社会の形成が進展するよう引き続き取り組んでまいります。
さて、貴会におかれましては、衛生的で快適な生活環境の確保に向けて、浄化槽法に基づく法定検査、浄化槽に係る調査研究や普及啓発、技術向上のための研修の取組など、様々な活動を展開されております。特に、貴会岩手県浄化槽検査センターによる本県の浄化槽法第11条に基づく法定検査の検査率が全国トップクラスの水準を維持していること、また、法定検査による水質分析結果や設置使用状況などから得られた知見に基づき、浄化槽の適正な維持管理に向けて県に御提言をいただいているところであり、本県の浄化槽の普及促進に多大な貢献をいただいているものと考えております。
県では、汚水処理施設の整備等に関する構想として、「いわて汚水処理ビジョン2017」を策定し、2025年までに汚水処理人口普及率を91%とする目標を掲げております。本ビジョンにおいて、将来の人口や社会経済情勢の変化を捉え、地域の実情を踏まえた効率的な汚水処理施設の整備を進めることとしており、広大な県土を有する本県において、個別整備が可能な浄化槽は、今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。
昨年6月には、「合併浄化槽への転換」及び「浄化槽の管理の向上」を目的とした浄化槽法の改正が行われ、「浄化槽台帳の整備」や「浄化槽管理士に対する研修の機会の確保」に関する項目が盛り込まれました。本年4月1日からの施行となりますが、これまで以上に、貴会と連携して、浄化槽がその機能を十分に発揮できるよう適正な維持管理の確保に向けて取り組んでまいりますので、今後とも御支援と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
結びに、貴会及び会員の皆様のますますの御発展と御多幸を祈念いたしまして、年頭の挨拶といたします。