「年頭の御挨拶」

岩手県知事
達増 拓也


謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、浄化槽の普及促進や適正な維持管理など、本県の浄化槽行政全般に対しまして多大なる御支援、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

貴会におかれましては、衛生的で快適な生活環境の確保に向けて、浄化槽法に基づく法定検査、浄化槽に係る調査研究や普及啓発、技術向上のための研修の取組など、様々な活動を展開されております。特に、昨年11月には、改正浄化槽法に「浄化槽管理士に対する研修の機会の確保」に関する項目が盛り込まれたことを受け、貴会主催による、本県初の「浄化槽管理士研修」が開催され、本県の浄化槽の適正な維持管理の向上に多大な貢献をいただいております。

また、貴会岩手県浄化槽検査センターによる本県の浄化槽法第11条に基づく法定検査の受検率は、全国トップクラスの水準を維持しており、法定検査による水質分析結果や設置使用状況などから得られた知見に基づき、浄化槽の適正な維持管理に向けて県に御提言をいただいております。今後とも、様々な課題に積極的に取り組み、快適な生活環境の確保に向けて一層御活躍されることを心から期待申し上げます。

さて、新型コロナウイルス感染症対策に関連し、浄化槽関連事業者は、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」において「国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業者」に位置付けられたところです。新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中にあっても、感染防止策を講じつつ、事業の継続実施に取り組まれていることに感謝申し上げます。

県では、新型コロナウイルス感染症対策として、早期に感染者を確認し、感染拡大防止に全力で取り組むとともに、感染拡大時にも対応できる検査体制や医療提供体制を整えています。そして、地域経済の回復に向け、中小企業者への資金繰り支援や消費喚起策の実施、新しい生活様式への対応等に取り組む事業者への支援なども行っています。引き続き、感染拡大の防止と社会経済活動を支える事業に取り組んでまいります。

また、汚水処理施設の整備等に関する構想として、「いわて汚水処理ビジョン2017」を策定し、2025年までに汚水処理人口普及率を91%とする目標を掲げております。本ビジョンでは、将来の人口や社会経済情勢の変化を捉え、地域の実情を踏まえた効率的な汚水処理施設の整備を進めることとしており、広大な県土を有する本県において、個別整備が可能な浄化槽は、今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。浄化槽の整備促進に当たっては、浄化槽がその機能を十分に発揮できるよう適正に維持管理していくことが前提であり、これまで以上に、貴会と連携して適正な維持管理の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
 
結びに、貴会及び会員の皆様のますますの御発展と御多幸を祈念いたしまして、年頭の挨拶といたします。