検査員のつぶやき


自分の子供の頃は、「恐竜が好き」という人が多かったように記憶しており、自分自身もそうでしたが、さすがに今となっては、知識も古いものになっています。なんとなく耳にするだけでも、ウロコだけでなく、羽毛もあった等の新たな話があるようなので、この機会にほんの少しだけ調べてみました。

・日本の新種
 旧日本領の樺太を含めると11種だそうですが、現在認められているのは10種だそうです(岩手のモシリュウは、あいにくその中には入っていないようです)。
 個人的に目を引いたのをいくつか挙げると、
①ハドロサウルス科カムイサウルス…ほぼ全身骨格が産出されたという北海道むかわ町産出の草食恐竜。
②ヤマトサウルス…兵庫県洲本市から産出された恐竜。ヤマトと聞くと、最初は某戦艦のイメージがあり肉食恐竜かと思いきや、カムイサウルスと同じくハドロサウルス科の草 食恐竜でした。
③メガラプトル類フクイラプトル…福井県勝山市産出の肉食恐竜で、推定全長約4.2メートル。成長途中の若い個体という説があるようで、もしかしたらティラノサウルスくらいに大きくなったのでしょうか。

・昔と説が変わったと思ったこと
①デイノニクス…群れで狩りを行い、骨に噛まれたようなキズがあることから、相手と激しく戦ったのでは、という話を記憶していましたが、集団で化石がみつかったのは、エサの死肉をめぐって仲間同士で争った結果というのが今の説らしいです。誤りは当然正されるべきですが、なんとなく残念に思いました。
②スピノサウルス…背中の帆のようなものが印象的なスピノサウルスですが、アフリカ産出で状態の良い化石は戦火で失われたという話に思っていましたが、日本でもスピノサウルス類の歯の化石が見つかっています。海外の恐竜のイメージだったので、少しびっくりしました。
③コリトサウルス、パラサウロロフス、ランべオサウルス等…頭骨が空洞でトサカ状になった恐竜は、そこに空気をためて長く潜水していられる話だったと思いますが、今はトサカ内部の空洞に鳴き声を反響させてコミュニケーションの手段にしていたという説が主流のようです。

・個人的に初めて知ったこと
①体の大きい恐竜ほど鼻腔が大きくなり、呼吸に合わせ空気と一緒に熱を対外に排出できるような頭骨のつくりになっていて、脳を熱から守るようになっている(体の大きい生物ほど熱が溜まりやすいという理屈のようです。最大何メートルかは忘れてしまいましたが、大きくなれる限度があって、それ以上はオーバーヒート状態となり生きていられない、という説があったようにも思います。ラジオ子供相談室で聞いたように思います)。
②完全に、ではないらしいですが、恐竜の色がわかるそうです。皮膚の化石のメラニンの形跡のようなものを調べたり、卵の化石にレーザーを当てて、レーザーの散乱具合を調べ たりして色を推定するそうです。

・感想
 細かい学術的なことはさっぱりわからないので、どうもそうらしい、という理解ですが、少し見ただけでもいろいろとありました。多少知っていたつもりでも、恐竜の話は子供たちの方が知識の量や正確さはどうやら、ずっと上のようです。

参考図書
・㈱ニュートンプレス『Newton2023.7月号』
・日経ナショナルジオグラフィック『新設・恐竜塗り替えられたその姿と生態』
・創元社『恐竜・古生物図鑑』

 

検査員 梅津 義弘