岩手県知事
達増 拓也
謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
公益社団法人岩手県浄化槽協会及び会員の皆様におかれましては、日頃から、浄化槽の普及促進や適正な維持管理など、本県の浄化槽行政全般に対しまして多大なる御支援、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
また、貴会副会長である菊地昭文様におかれましては、永年にわたり浄化槽保守点検、清掃業務を通じ生活環境の保全及び公衆衛生の向上に努められたほか、貴会副会長として業界の発展に御尽力されたこと等の功績により環境大臣表彰を、同じく副会長である大粒来和彦様におかれましては、環境省環境再生・資源循環局長表彰を受賞され、誠におめでとうございました。
貴会におかれましては、衛生的で快適な生活環境の確保に向けて、浄化槽法に基づく法定検査、浄化槽に係る調査研究や普及啓発、技術向上のための研修の取組など、様々な活動を展開されております。
特に、貴会岩手県浄化槽検査センターによる本県の浄化槽法第11条に基づく法定検査の受検率は、全国トップクラスの水準を維持しており、本県の浄化槽の適正な維持管理の向上に多大な貢献をいただいております。
また、法定検査による水質分析結果や設置使用状況などから得られた知見に基づき、浄化槽の適正な維持管理に向けて県に御提言をいただいており、今後とも、様々な課題に積極的に取り組み、衛生的で快適な生活環境の確保に向けて一層御活躍されることを心から期待申し上げます。
昨年は、天皇皇后両陛下の御臨席の下、陸前高田市において第73回全国植樹祭を盛大に開催し、東日本大震災津波から復興の歩みを進める姿と岩手の魅力を広く発信したほか、ニューヨーク・タイムズ紙の「2023年に行くべき52か所」の2番目に盛岡市が選ばれたことなどにより国内外から岩手県が注目を集め、交流人口の拡大につなげることができました。県民の皆様に多くの御支援をいただきましたことを感謝申し上げます。
岩手県では、今年度から令和8年度までの4年間を計画期間とする「いわて県民計画(2019~2028)」第2期アクションプラン「政策推進プラン」において、良好な水環境の保全と環境負荷低減に向けた取組を促進することとしており、引き続き生活排水等の対策を進めてまいります。
さらに、汚水処理施設の整備等に関する構想として、「いわて汚水処理ビジョン2017」を策定し、令和7年度末までに汚水処理人口普及率を91%とする目標を掲げております。令和4年度における汚水処理人口普及率は約85%であり、このうち浄化槽の割合は約14%となっております。本ビジョンでは、将来の人口や社会経済情勢の変化を捉え、地域の実情を踏まえた効率的な汚水処理施設の整備を進めることとしており、広大な県土を有する本県において、個別整備が可能な浄化槽は、今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。浄化槽の整備促進に当たっては、浄化槽がその機能を十分に発揮できるよう、これまで以上に、貴会と連携して適正な維持管理の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、一層の御協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、貴会及び会員の皆様のますますの御発展と御多幸を祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。