平均BODと20mg/l超過率について
  • 算術平均BOD:型式ごとのBOD値の算術平均
  • 対数平均BOD:型式ごとのBOD値の対数平均⇒度数分布の中央値に近い
  • 20mg/l超過率:BOD値が20mg/lを超える割合
集計条件
  • 小型合併処理浄化槽
  • 建物の用途は専用住宅(別荘等除く)
  • 処理対象人員10人槽以下
  • 同一の型式の浄化槽の検査基数が50基以上(年間全データの場合200基以上)
  • 四半期毎(春夏秋冬)に集計する(気象等の条件を同じにするため)




集計結果
年度第1四半期
(4~6月)
第2四半期
(7~9月)
第3四半期
(10~12月)
第4四半期
(1~3月)
年間全データ集計分
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度   


四半期ごとの変化 → 詳細(構造例示/小容量型/窒素除去型別)はこちら




全体の変化
年度 四半期 算術平均BOD
(mg/l)
対数平均BOD
(mg/l)
平均超過率
(%)
平均処理
対象人員
平均人員比
(%)
2000 第1 25.5 14.6 39 7.6 56
第2 20.6 11.8 30 7.6 57
第3 18.1 11.4 27 7.4 57
第4 23.8 14.5 37 7.2 58
年間 22.2 13.0 34 7.5 57
2001 第1 27.2 14.8 41 6.8 62
第2 20.7 11.0 30 6.8 61
第3 17.9 10.4 27 6.7 62
第4 22.1 13.3 38 6.5 61
年間 22.2 12.3 34 6.7 61
2002 第1 23.9 13.5 38 6.6 61
第2 21.1 11.3 31 6.6 60
第3 17.6 10.4 27 6.6 60
第4 21.6 12.6 34 6.5 60
年間 21.4 12.0 33 6.5 60
2003 第1 26.5 14.6 41 6.5 60
第2 21.1 11.1 31 6.6 61
第3 18.1 10.1 26 6.5 59
第4 22.4 12.6 33 6.5 59
年間 22.5 12.2 34 6.6 60
2004 第1 28.0 14.9 41 6.6 55
第2 22.0 11.9 32 6.6 58




算術平均による平均BODの算出の問題点

 実際の浄化槽放流水のBOD値の分布は平均値に対して左右非対称(高いほうに広い)の分布で0以下の値は存在しない。そのため、次のような傾向がある。
  • 算術平均は度数分布の最も割合が多い値(ピーク値)より必ずさらに大きい値となる(実際の感覚と合わない)。
  • BOD値に非常に高い値があるとBODの算術平均に大きい影響を与える。
  • 分布が非対称なので標準偏差も非常に大きくなる傾向もある。



実際のBOD値の分布と対数正規分布

 下記のグラフは2000年度4~6月分の全BODの度数分布です。また、このデータから求めた平均と標準偏差より正規分布とした場合の分布と、BODを対数変換した値による平均と標準偏差より対数正規分布とした場合の分布です。
 このグラフより正規分布(正規分布では0以下の割合も約22%である)は実際の分布と全く異なっています。しかし、対数正規分布は実際と非常に近い分布となっていることが分かります。
 また、平均BODも算術平均より対数平均の方が度数分布のピーク値に近い事と、稀に高い値があってもそれ程平均に大きな値を与えない利点があります。